プロジェクトマネジメント

 製品開発などプロジェクトを推進するうえで、はじめに作成するべきものがプロジェクト憲章です。これは、そのプロジェクトが何を目的に、何を目指し、どういうリソースを使っていつまでに成し遂げるのか定義するものです。規模の大小を問わず、あなたがプロジェクトを任されたら、まずはプロジェクト憲章を作ってください。
 もし、あなたがまだ補佐的な立場であったり、単なるいちメンバーに過ぎない場合、「自分ならこうするな」というものを作ってみてください。あなたのリーダや上司がプロジェクトを推進しているとき、さらにその上司の意見に振り回されたり、右往左往したり、判断がブレたり、情けない場面に出くわすことはありませんか。そのようなとき、自分なりに作ったプロジェクト憲章を見直せば、「自分だったらうまくやれる」と自信を深めることができるでしょう。それはあなたの成長そのものです。
 もし、あなたが経営者など指導的立場で、プロジェクトの推進を部下に任せたい場合、任せたリーダにプロジェクト憲章の作成を指示し、あなたが納得できるレベルに仕上げさせ、承認してあげてください。

  プロジェクト憲章 は、以下のことを明記し、それをたたき台として意思決定者(上司とは限りません)と仕上げてください。そして、仕上がったプロジェクト憲章をメンバーと共有してください。
・背景
 本プロジェクトの現状を明らかにしてください。例えば、マーケティング論で出てくる環境分析(PEST分析や3C分析など)が適当です。規模の小さなプロジェクトであれば、単に、「組織(会社)の方針として、○○について開発することになった。」だけでも良いです。
・目的と達成目標
 ここでは、本プロジェクトの目的は何で、どうなったら成功と言えるのか達成目標をしっかり定義してください。プロジェクトを進めていく過程で、なし崩し的に目的が増えたり、達成目標がすり替えられることを抑制するためにも重要です。
・プロジェクトスコープ
 次に本プロジェクトでは、何をスコープインして、何をスコープアウトするのかを定義してください。自明であることまで定義する必要はありませんが、判断に迷うようなことは多々ありますよね。例えば、特定の機能を持たせるか否かなど。これも なし崩し的に目的が増えたり、 達成目標がすり替えられることを抑制するためにも重要なのです。
・リソース
 ここで明記することは、ヒト、モノ、予算です。まずヒトについては、リーダであるあなたを中心に、ステークホルダ(意思決定者や上司、連携先など)との関係を整理します。そして、本プロジェクトを達成させるための各担当(専門分野による区分け、モジュール/ユニットによる区分け)と、それぞれの担当者を割り振ります。モノについては、どこでどのような設備を使うのかといったことを整理します。最後に予算については、総予算から各担当に割り振ってください。
・計画
 いよいよ計画作りですね。無理がなく、かつ無駄のない計画を作ることが重要です。粛々と推進すればプロジェクトが進んでいくような場合は、簡単に計画を立てられるでしょう。でもそういうケースはまれにしかなく、無理無駄のない計画作りは案外難しいですし、さらに実際に何か検討してみなければ計画が立てられないことも多いのではないでしょうか。例えば、以下のようけケースに分けられます。計画作りは状況に応じて着眼点が異なります。あなたが置かれている状況はどれに該当しますか? 近いものをクリックしてみてください。
 詳細仕様が決まっている場合
 目標仕様は決まり、詳細仕様が決まっていない場合
 詳細仕様すら決まらず、要素技術開発テーマの掘り起こしが必要な場合
など。

 もし、ここまでのプロジェクト憲章の説明でピンと来なかったり、お困りごとがあれば、ご遠慮なく 相談フォーム までお知らせください。

 私たちは主に、以下のような方々を対象とした コンサルティング・コーチングを行っています。

 製品開発のリーダの経験が乏しい方や、これからリーダを目指す方
 マネジメントを任せられる人を育て、自分は経営などに専念したい方

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お困りごと、相談ごとがございましたら、ご遠慮なく 相談フォーム までお知らせください。